外壁材(サイディング)計算ツール:スクエアを m² と枚数に読み替える
外周長・軒高・妻壁・開口部を入れると、純施工面積、ロスを含んだ発注量、スクエア数、カートン数、役物の延長を返すツールです。
キャリブレーションの注意。単位は北米の スクエア(1 スクエア = 100 ft² = 9.29 m²)、材料の既定はビニル(樹脂)サイディング、下地は 16 in(406 mm)間隔のスタッド、役物は starter strip と J-channel です。**日本の窯業系サイディングの製品寸法、通気構法、建築数量積算基準の開口部控除、シーリングの拾いはいずれも扱っていません。**面積の幾何計算は使えますが、枚数と役物、費用は日本の製品と積算で取り直してください。
計算の流れ
外周長 = 2 x (建物の長さ + 幅)
外壁総面積 = 外周長 x 軒高
妻壁面積 = 0.5 x 妻の幅 x 妻の高さ x 箇所数
妻の高さ = 妻の幅 / 2 x 屋根勾配(寸) / 10
純施工面積 = 外壁総面積 + 妻壁面積 - 開口部面積
発注面積 = 純施工面積 x (1 + ロス率 / 100)
必要枚数 = 切り上げ(発注面積 / 1枚の有効面積)
足場架面積 = (外周長 + 8 m) x 足場高さ
**妻壁の高さは勾配から出せます。**日本の屋根勾配は寸(10 に対する高さ)で表すので、4 寸勾配なら妻の幅の半分に 0.4 を掛ければ棟までの高さになります。3 寸で 0.3、5 寸で 0.5。ツールは棟高さを直接入力させるので、この一手間を先に済ませてください。
単位はスクエアではなく m² と枚数
窯業系サイディングの標準寸法は 働き幅 455 mm x 長さ 3,030 mm、厚さ 14 mm(釘打ち工法)または 15〜18 mm(金具留め工法)です。
1 枚の面積 = 0.455 x 3.030 = 1.379 m2(14.84 ft2)
1 坪(3.306 m2)あたり 約 2.4 枚
100 m2 あたり 約 73 枚
1 スクエア(9.29 m2) 約 6.7 枚
**455 mm という寸法が下地と一致しています。**日本の木造軸組は間柱 455 mm 間隔、胴縁も 455 mm ピッチなので、金具留め工法の下地がそのまま成立します。米国の 16 in(406 mm)スタッドとは 49 mm ずれるため、ツールの「16 in o.c. を前提とした継手位置」の記述は日本では読み替えが必要です。
日本の主流はビニルではない
| 外壁材 | 日本での位置づけ | 施工費込みの目安 | ロス率 |
|---|---|---|---|
| 窯業系サイディング | 新築戸建の 7〜8 割 | 4,500〜8,000 円/m² | 5〜10% |
| 金属系サイディング(ガルバリウム) | 増加傾向、意匠・軽量 | 6,000〜10,000 円/m² | 5〜10% |
| モルタル塗り + 塗装(左官) | 既存住宅に多い | 5,000〜9,000 円/m² | — |
| 木質系サイディング | 意匠部分・別荘 | 8,000〜15,000 円/m² | 10〜15% |
| ALC パネル | 鉄骨造・共同住宅 | 8,000〜14,000 円/m² | 5〜10% |
| 樹脂(ビニル)サイディング | シェアは 1% 前後 | 6,000〜9,000 円/m² | 5〜10% |
**ツールの既定材料が日本ではほぼ使われていません。**北米の主流であるビニルサイディングは、日本では寒冷地の一部を除いてほとんど流通していません。したがってカートン(2 スクエア = 200 ft² 箱)の出力も日本の梱包とは対応しません。窯業系サイディングは **1 梱包 5〜10 枚(6.9〜13.8 m²)**が一般的で、製品ごとに違います。
通気構法が前提になる
ここが最大の構造的な差です。米国の IRC は外壁に water-resistive barrier を求めるだけで、rainscreen(通気層)は任意です。日本では窯業系サイディングは通気構法が原則で、透湿防水シートの上に胴縁で 15〜18 mm 以上の通気層を確保します。これは省エネ基準ではなく住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準側の要求で、直張りにすると保険の対象外になり得ます。
通気層があるため、日本では次の材料がツールの出力に現れません。
- 胴縁:縦胴縁なら外周 x 軒高 / 0.455 の本数。18 x 45 mm または 15 x 45 mm。
- 透湿防水シート:純施工面積 x 1.1、1 巻 1 m x 50 m。
- 通気金具・スターター:金具留め工法では専用の留付金具が枚数分。
開口部の控除は基準が違う
| 開口部 | 日本の代表寸法 | 面積 |
|---|---|---|
| 玄関ドア(片開き) | 900 x 2,300 mm | 2.07 m²(22.3 ft²) |
| 掃出し窓 17420 | 1,740 x 2,000 mm | 3.48 m²(37.5 ft²) |
| 引違い窓 16513 | 1,650 x 1,300 mm | 2.15 m²(23.1 ft²) |
| 引違い窓 11911 | 1,190 x 1,100 mm | 1.31 m²(14.1 ft²) |
| 小窓 06009 | 600 x 900 mm | 0.54 m²(5.8 ft²) |
| ガレージシャッター(1 台) | 2,600 x 2,200 mm | 5.72 m²(61.6 ft²) |
**控除する下限が違います。**ツールは 10 ft²(0.93 m²)を超える開口を控除する考え方ですが、建築数量積算基準による仕上げの数量では、1 か所あたりおおむね 0.5 m² を超えるものを控除する扱いが一般的です。上の表の小窓 0.54 m² は、日本の積算では控除対象、ツールでは無視される側に入ります。
算例:総二階、9.1 m x 7.28 m、軒高 6.5 m、4 寸勾配の切妻
- 外周長:2 x (9.1 + 7.28) = 32.76 m(107.5 ft)
- 外壁総面積:32.76 x 6.5 = 212.9 m²(2,292 ft²)
- 妻の高さ:7.28 / 2 x 0.4 = 1.456 m
- 妻壁面積:0.5 x 7.28 x 1.456 x 2 箇所 = 10.6 m²
- 開口部:掃出し 2 か所、引違い 6 か所、小窓 4 か所、玄関、勝手口 = 約 25.9 m²
- 純施工面積:212.9 + 10.6 - 25.9 = 197.6 m²(2,127 ft²)
- 発注面積(ロス 10%):217.4 m²、窯業系サイディング 158 枚
- スクエア換算:2,340 ft² / 100 = 23.4 スクエア
- 足場架面積:(32.76 + 8) x 7 = 285 m²
費用の組み方が違います。外壁本体は 197.6 m² x 6,000 円 = 約 119 万円ですが、日本では足場が別項目で、外壁面積ではなく架面積で拾います。上の例なら 285 m² x 800〜1,200 円 = 23〜34 万円。
シーリングを別に拾う
窯業系サイディングは目地と開口部周囲にシーリングを打つため、**延長(m)を別に数量化します。**縦目地はおおむね枚数 x 0.455 m、これに出入隅と開口部周囲が加わり、上の算例では 150〜200 m になります。単価は打ち替えで 900〜1,500 円/m。耐用年数が 7〜10 年で外壁本体より先に切れるため、長期の維持費はここで決まります。ツールの役物出力(starter strip、J-channel、corner post)はビニルサイディングの部材で、シーリングという項目自体がありません。
延焼のおそれのある部分(隣地境界線から 1 階は 3 m、2 階以上は 5 m 以内)では、防火構造または準耐火構造の認定仕様が必要です。
よくある質問
40 坪の家の外壁面積はどれくらいですか
総二階で 132 m²(40 坪)の延床なら、上の算例のとおり外壁は純 190〜210 m² 前後、スクエアに直すと 23〜25 スクエアです。延床面積の 1.5 倍前後が目安になります。平屋にすると外周が伸びるので、同じ延床でも外壁面積は 1.2〜1.3 倍に増えます。
スクエアと m²、枚数はどう換算しますか
1 スクエア = 100 ft² = 9.29 m² = 窯業系サイディング約 6.7 枚です。ツールがスクエアで返した数字に 9.29 を掛ければ m²、1.379 で割れば枚数になります。カートン数の出力はビニルサイディングの 200 ft² 箱前提なので使えません。
シーリングはどう拾いますか
縦目地は枚数 x 働き幅 0.455 m でおおよそ出ます。これに出入隅の垂直延長、開口部の周長、土台水切りとの取り合いを足します。ツールの出力には含まれないので、必ず別立てで拾ってください。
樹脂サイディングは日本で使えますか
使えますが、流通量が少なく施工できる業者も限られます。ツールの既定値と単価はビニル前提なので、材料をビニル以外にした場合の単価と梱包はすべて日本の製品カタログで置き換えてください。