芝生(芝張り)計算ツール:ロールとパレットを束と張り方に読み替える
芝を張る面積と形状、ロス率、床土の厚さを入れると、必要な芝の量、ロール数、パレット数、床土の体積と費用の目安を返すツールです。
キャリブレーションの注意。流通単位は北米のロール(10 ft² = 0.93 m²)とパレット(45 ロール = 450 ft² = 41.8 m²)、品種は Bermuda や Kentucky Bluegrass など北米の 8 種、床土は 3〜4 インチ、単価は $/ft² が前提です。**日本の切芝の束、ベタ張り・目地張り・市松張りという張り方の使い分け、目土、高麗芝の張り時期はいずれも扱っていません。**面積の幾何計算はそのまま使えますが、発注単位と数量は日本の流通に置き換えてください。
日本の芝は束で買う
切芝 1 枚 = 約 30 x 37 cm = 0.111 m2(1.19 ft2)
1 束 = 9 枚 = 約 1.0 m2(10.8 ft2)
1 坪(3.306 m2) = 約 3.3 束
ツールのロール = 10 ft2 = 0.93 m2
ツールのパレット = 450 ft2 = 41.8 m2
**ロールではなく平板です。**日本の切芝は厚さ 15〜25 mm の平らな板状で、巻いて運ぶロール芝はゴルフ場や競技場の張替えに使う特殊品です。1 束がほぼ 1 m² になるよう枚数が決められているので、面積をそのまま束数として読めるのが日本の流通の便利な点です。
張り方で必要量が変わる
ここが最大の違いです。ツールは必ず 100% 敷き詰める前提でロス率を足しますが、日本ではわざと目地を空けて張り、ほふく茎が伸びて埋まるのを待つという選択肢があります。
| 張り方 | 目地幅 | 必要な芝の量 | 埋まるまでの目安 | 向く場面 |
|---|---|---|---|---|
| ベタ張り | 0 mm | 面積 x 1.0 | 1〜2 か月 | 新築の引渡し、すぐ使う庭 |
| 目地張り | 30〜50 mm | 面積 x 0.80〜0.85 | 2〜3 か月 | 一般的な戸建の庭 |
| 市松張り | 芝 1 枚分 | 面積 x 0.5 | 1 シーズン | 広い面積、コスト優先 |
| 筋張り | 帯状 | 面積 x 0.5〜0.7 | 1 シーズン | 法面、のり面緑化 |
**ツールに「必要量が面積より少ない」という発想がありません。**ロス率は 5〜20% の加算しか選べないので、目地張りを選ぶ日本の現場では出力が 2 割ほど多く出ます。逆にベタ張りなら、曲線の多い庭で 5〜10% のロスを見る考え方はそのまま使えます。
品種は日本芝が主流
| 品種 | 区分 | 適地 | 材料費(1 m²) | 冬の色 | 手入れ |
|---|---|---|---|---|---|
| 高麗芝(コウライシバ) | 暖地型 | 東北南部以南 | 300〜600 円 | 茶色(休眠) | 年 5〜8 回の刈込 |
| 姫高麗芝 | 暖地型 | 関東以西 | 400〜800 円 | 茶色 | 刈込頻度が高い |
| 野芝(ノシバ) | 暖地型 | 東北・北陸も可 | 250〜500 円 | 茶色 | 葉が粗く丈夫 |
| ティフトン(バミューダ系) | 暖地型 | 西日本、グラウンド | 500〜900 円 | 茶色 | 生育旺盛、刈込多い |
| ケンタッキーブルーグラス | 寒地型 | 北海道・高冷地 | 種まき中心 | 緑を保つ | 夏枯れに注意 |
| ベントグラス | 寒地型 | ゴルフ場 | — | 緑を保つ | 専門管理 |
**常緑ではありません。**戸建の庭で使われるのは高麗芝が圧倒的で、暖地型なので 11 月から 3 月は休眠して茶色になります。ツールの品種表にある Kentucky Bluegrass や Tall Fescue は寒地型で、本州以南では梅雨から夏の高温多湿で枯れる(夏枯れ)ため、常緑を狙って選ぶと管理の手間が跳ね上がります。北海道では逆に寒地型が標準です。
張る時期が限られる
高麗芝の植付け適期は 3 月下旬〜6 月中旬と 9 月〜10 月上旬です。真夏(7〜8 月)は活着前の乾燥で傷み、11 月以降は休眠に入って根が張らないまま冬を越します。ツールの「暖地型は晩春から夏」という指針は北米の乾燥した夏を前提にした記述で、日本の梅雨と猛暑には当てはまりません。
床土と目土
床土量(m3) = 面積(m2) x 床土厚さ(mm) / 1000
目土量(L) = 面積(m2) x 3〜5 L(目地張りは 5〜8 L)
1 m3 = 1.31 yd3、1 yd3 = 0.765 m3
| 項目 | 日本の標準 | ツールの前提 |
|---|---|---|
| 床土(客土)の厚さ | 100〜150 mm | 3〜4 in(75〜100 mm) |
| 床土の材料 | 山砂、川砂、芝生用配合土 | ふるい選別ローム、堆肥配合 |
| 発注単位 | m³、または 14〜25 L 袋 | cu yd |
| 目土 | 張った直後に必ず入れる | 出力にない |
| 排水勾配 | 1〜2%(建物から離す) | 1〜2% |
**目土がツールの出力に現れません。**日本では芝を張った直後に目土を撒いて目地を埋め、水を打って転圧するのが標準手順です。省くと目地が乾いて活着が遅れます。ツールが cu yd で返した床土量には 0.765 を掛けて m³ に戻してください。
算例:6.0 m x 4.5 m の前庭(27 m²、291 ft²)
- 実測面積:27.0 m²(8.17 坪、291 ft²)
- ベタ張り(ロス 10%):27 x 1.10 = 29.7 → 30 束(270 枚)
- 目地張り(係数 0.85、ロス 5%):27 x 0.85 x 1.05 = 24.1 → 25 束
- 床土(厚さ 100 mm):27 x 0.1 = 2.7 m³(3.53 yd³)
- 目土:27 x 4 = 108 L(25 L 袋で 5 袋)
- 材料費:高麗芝 30 束 x 450 円 = 13,500 円
- 施工込みの目安:27 x 3,000 円 = 約 8 万円(整地・床土・目土・処分込み)
同じ庭をツールで解くと、291 ft² x 1.1 = 320 ft² → 32 ロール、パレット単位なら **1 パレット(450 ft² = 41.8 m²)**で 15 m² 近く余ります。日本の束単位なら 25〜30 束で余りは 0〜3 束。端数の出方が根本的に違うので、パレット数の出力は使わないでください。
費用と手続き
| 費用項目 | 日本の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 芝材料(高麗芝) | 300〜600 円/m² | 産地直送は安いが送料が別 |
| 既存芝・雑草の撤去 | 500〜1,500 円/m² | 残土処分費が別に出る |
| 整地・床土入れ | 1,000〜2,000 円/m² | 客土の材料費を含む |
| 芝張り手間 | 800〜1,500 円/m² | 目土・転圧・散水込み |
| 合計(施工一式) | 2,500〜4,500 円/m² | 坪換算 8,000〜15,000 円/坪 |
整地で出た土は建設発生土として扱われ産業廃棄物ではありませんが、場外に出すなら搬出先の確保が必要です。規模の大きい開発では自治体の緑化条例(東京都なら敷地面積 1,000 m² 以上で緑化計画書の届出)が関わり、芝生を緑化面積に算入できるかは条例ごとに扱いが違います。ツールは北米の流通と気候を前提にした数量計算で、日本の条例には触れていません。
よくある質問
10 坪の庭に芝は何束必要ですか
10 坪は 33.1 m²(356 ft²)です。ベタ張りでロス 10% を見て 37 束、目地張りなら 30 束前後。1 束がほぼ 1 m² なので、坪数に 3.3 を掛ければ束数の目安になります。ツールが返すロール数(38 ロール)とパレット数は北米の梱包なので、そのまま発注には使えません。
ロールとパレットは日本にありますか
ロール芝は競技場やゴルフ場の張替えで使われますが、住宅用の流通はほぼ切芝の束です。パレット(450 ft² = 41.8 m²)という発注単位も一般の造園ではまず出てきません。ツールがパレット数を返しても、束数に読み替えてください。
目地張りにすると本当に埋まりますか
高麗芝は横に伸びるほふく茎で広がるので、目地 30〜50 mm なら適期(4〜6 月)に張れば 2〜3 か月でつながります。ただし日陰、踏圧の強い場所、粘土質で排水の悪い床土では埋まりきりません。すぐに使う庭や来客の目に触れる前庭はベタ張りが確実です。
冬に緑を保つ方法はありますか
高麗芝に寒地型のペレニアルライグラスをオーバーシードする方法がありますが、春の芽出しを妨げるため管理が難しく、住宅では一般的ではありません。ツールの品種表で常緑の寒地型を選ぶ前に、夏の高温多湿で枯れるリスクを織り込んでください。