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現場発泡ウレタン断熱 コスト計算機

ボードフィート容量、連続気泡 vs 独立気泡の厚さ、55ガロンドラム缶使用量、DIYボンベ、施工費用を計算します。

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技術仕様・積算基準ガイド

現場発泡ウレタン断熱 コスト計算機 — 工事積算方式・参考ガイド

明朗な積算ロジック

吹付け断熱計算ツール:ボードフットを m² と mm 厚に読み替える

施工面積と吹付け厚さから、必要な発泡ウレタンの量(ボードフット)、ドラムセット数、達成 R 値、費用を出すツールです。

**キャリブレーションの注意。**単位は米国の ボードフット(bd ft)、性能表示は 1 インチあたりの R 値、防火の判定は IRC R316.4 の 15 分熱障壁、防湿は IRC R702.7 の Class I / II 分類、屋根は IRC R806.5 の unvented attic が前提です。**JIS A 9526 の A 種区分、建築物省エネ法の UA 値、建築基準法の内装制限、住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準はいずれも参照していません。**体積の拾いには使えますが、材料区分と防火・防湿の納まりは日本の基準で決め直してください。


ツールが実行している計算と、日本の単位への変換

ボードフット     = 施工面積(ft2) x 厚さ(インチ)
発注ボードフット = ボードフット x (1 + ロス率 / 100)
達成R値          = 厚さ(インチ) x 1インチあたりのR値
ドラムセット数   = 切り上げ(発注bd ft / 1セットの収量)

日本の吹付け見積は面積と厚さ、または体積で出します。換算は次のとおりです。

吹付け体積(m3) = 施工面積(m2) x 厚さ(mm) / 1000
1 bd ft        = 0.00236 m3
1 m3           = 424 bd ft
1 m2 を厚さ 100 mm = 42.4 bd ft

**日本の現場でボードフットは使いません。**発注も見積も「壁 90 mm 厚、屋根 150 mm 厚」という指定で、単価は m² 建てです。ツールの bd ft はドラムの収量を数えるための単位なので、業者見積と突き合わせるときは上の式で m² と mm に戻してください。


JIS A 9526 の A 種区分と北米の ocSPF / ccSPF

日本の吹付け硬質ウレタンフォームは JIS A 9526 で区分され、住宅で使われるのは主に低密度の A 種 3 と高密度の A 種 1H です。

項目 A 種 3(連続気泡) A 種 1H(独立気泡) 米国 ocSPF 米国 ccSPF
密度 8〜15 kg/m³ 30〜45 kg/m³ 8 kg/m³(0.5 lb) 32 kg/m³(2.0 lb)
熱伝導率 0.034〜0.040 W/(m·K) 0.021〜0.026 W/(m·K)
R 値 / インチ換算 R-3.6〜4.2 R-5.5〜6.9 R-3.6〜3.8 R-6.5〜7.0
発泡剤 水発泡(約 100 倍) ノンフロン系(約 30 倍) HFO 等
透湿 透湿する(防湿層が必要) 透湿抵抗が高い 10 perm 超 0.1〜1.0 perm
用途 壁充填、天井、小屋裏 外張り、床下、屋根 同左 同左

**性能の並びは似ていますが、選択の理由が違います。**北米で ccSPF が選ばれるのは主に防湿層と気密を兼ねさせるためですが、日本では A 種 3 が住宅の主流です。木造軸組の柱間 105 mm に充填して隙間なく回り込ませ、C 値を稼ぐ用途に向いているためで、価格差も大きい。A 種 1H は厚さを稼げない部位(薄い外張り、床下、金属屋根の裏)に限って使うのが一般的な使い分けです。


厚さは R 値ではなく熱抵抗で決める

日本の省エネ基準は部位別の R 値ではなく住宅全体の UA 値で判定するので、吹付け厚さは目標熱抵抗から逆算します。

必要厚さ(mm) = 目標熱抵抗(m2 K/W) x 熱伝導率(W/(m K)) x 1000
熱抵抗(m2 K/W) = 米国R値 / 5.678
目標熱抵抗 米国 R 値 A 種 3(0.034) A 種 1H(0.024)
2.2 m²·K/W R-12.5 75 mm 53 mm
3.3 m²·K/W R-18.7 112 mm 79 mm
4.4 m²·K/W R-25.0 150 mm 106 mm
5.7 m²·K/W R-32.4 194 mm 137 mm

算例:屋根 93 m²(1,000 ft²)に A 種 3 を 150 mm

  • 体積:93 x 0.150 = 13.95 m³
  • ボードフット換算:13.95 x 424 = 5,915 bd ft(ツールは 1,000 ft² x 5.9 in = 5,900 bd ft と出す)
  • 熱抵抗:0.150 / 0.034 = 4.41 m²·K/W(R-25.0)
  • A 種 1H で同じ性能にするなら:4.41 x 0.024 x 1000 = 106 mm
  • 費用の目安:A 種 3 の 150 mm 吹付けで 3,000〜5,000 円/m²、93 m² なら 28〜47 万円(面積と地域で大きく動く)

**ロス率の考え方は共通です。**平滑面で 10%、柱間の充填で 15% 前後を見ます。ただし日本では 455 mm 間隔の間柱に 105 mm 厚で充填し、余分をカットして平滑にする施工が多く、**カットくずの発生は米国の 2x6 キャビティ(140 mm)より比率が高くなります。**厚さ指定が柱寸法で決まるため、必要熱抵抗が柱寸法を超える場合は付加断熱に回すか A 種 1H に切り替える判断になります。


防火と防湿は日本側の規定で組む

IRC R316.4 の「15 分熱障壁」に相当する条文は日本にありません。吹付けウレタンは可燃材料なので、日本では建築基準法の内装制限(施行令第 128 条の 5)と、防火構造・準耐火構造の大臣認定仕様の中で扱われます。実務では室内側を石膏ボード 12.5 mm 以上で覆うのが標準で、これは熱障壁の時間指定ではなく認定仕様どおりに施工するという建て方です。米国の DC315 のような発泡性塗料で代替する運用は、日本では認定仕様に含まれない限り使えません。

**施工中の火気は日本でも重大リスクです。**吹付け後の面に近接して溶接・溶断を行った火災事例が繰り返し報告されており、他工種との工程調整が必須です。イソシアネート(MDI)は特定化学物質障害予防規則の対象で、換気、送気マスク等の保護具、特殊健康診断が求められます。北米の NIOSH supplied-air の運用とは根拠法令が違います。

**防湿層は別建てです。**A 種 3 は透湿するので、室内側に防湿層を連続させるのが原則。A 種 1H は透湿抵抗が高く防湿層を兼ねられますが、判断は製品の透湿抵抗値で行い、IRC の Class I / II 分類をそのまま当てはめないでください。さらに外壁の通気層(一般に 18 mm 以上)と小屋裏の換気は住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準側の要求で、**野地板の裏に断熱材を密着させる納まり(米国の unvented attic)は保険法人ごとに扱いが異なります。**着工前に確認してください。


よくある質問

吹付け 100 mm で熱抵抗はいくらですか

A 種 3(0.034 W/(m·K))なら 0.100 / 0.034 = 2.94 m²·K/W、米国式なら R-16.7。A 種 1H(0.024)なら 4.17 m²·K/W、R-23.7 です。柱間 105 mm への充填ではおおむね A 種 3 で R-17 級、6 地域の壁として等級 5 を狙える水準ですが、UA 値は窓で決まるので壁だけ厚くしても等級は上がりません。

ボードフットは日本の見積で使いますか

使いません。発注は m² と mm 厚、材料の内部管理は m³ です。ツールの bd ft は 424 で割れば m³ になります。ドラムセット数の出力も北米の 55 ガロン A/B セットの収量を前提にしているので、日本の業者の材料手配とは対応しません。

A 種 3 と A 種 1H はどちらを選ぶべきですか

厚さが取れる部位は A 種 3、取れない部位は A 種 1H です。柱間 105 mm や垂木間 235 mm のように充填厚を確保できるなら A 種 3 で熱抵抗を稼ぐほうが安く、外張りや床下、金属屋根の裏など厚さが限られる部位では A 種 1H の低い熱伝導率が効きます。透湿の扱いが逆になる点も選択条件です。

石膏ボードで覆わなくてよいのですか

原則として覆います。日本では熱障壁という概念ではなく、内装制限と防火・準耐火構造の認定仕様で決まるため、「露出のままでよい」と判断できるのは認定仕様がそれを許している場合だけです。小屋裏や床下で露出させる納まりも、内装制限の対象部分でないことと保険法人の基準を個別に確認する必要があります。ツールの ignition barrier の記述は米国の運用です。